健康保険証とマイナンバーカードの一体化 〜生活への影響やメリットデメリットを解説〜
2024年の秋を目処に、健康保険証とマイナンバーカードが一体化される方針が出ています。これにより良質な医療の提供に繋がったり、事務手続きの効率が上がるなど利便性の向上が見込まれるとのこと。今回は、私たちの生活への影響やメリット・デメリットを解説していきます☆
保険証が廃止され「マイナ保険証」になる
健康保険証の情報をマイナンバーカードに紐付け、マイナンバーカードを健康保険証として利用できる「マイナ保険証」。導入によって従来の紙の保険証は廃止される計画です。病院や薬局などでマイナ保険証を専用のカードリーダーに読み込むと、自動で本人確認がなされ、瞬時に資格情報が取り込まれます。患者の同意のもと、過去に処方された薬や診療情報、特定健診の情報が医療機関に連携されます。
加入者、保険者双方の利便性向上が期待されるので、政府はマイナ保険証の普及を早急に推し進めています。
私たちの生活への影響は?
大前提として、全国民がマイナンバーカードを取得する必要があります。令和6年4月30日時点では全国民の73.7%がマイナンバーカードを保有しており、普及は進んでいるものの、いまだに3割の人はマイナンバーカードを保有していない状況のようです。猶予期間や資格確認書の発行などの措置もあるため、マイナ保険証を持たないからといって、すぐに医療機関を受診できなくなることはないようです。次でメリットとデメリットを詳しくご説明します☆
メリット
①限度額以上の支払が不要
手術や入院などにより医療費が高額になった場合でも、マイナ保険証を利用すれば、医療費の自己負担の限度額以上の支払いは不要になります。従来は事前に申請しておかないと、限度額以上の金額を支払わなければなりませんでした。高額な一時支払いがなくなるため、安心して医療機関を受診できそうですね!
②仕事や住所変更での手続きが不要
従来は就職・転職・引越しをした際には健康保険証を更新しなければなりませんでした。マイナ保険証であれば手続き不要なのでストレスフリー!「新しい保険証が届くまで病院に行けないのかな…」など悩まなくても良いですね!
③確定申告が楽になる
従来の保険証では、確定申告の際には医療費の領収書を集めたり、金額を計算するなどの手間がありました。マイナ保険証であれば、マイナポータルをe-Taxと連携することで医療費控除に関する計算・記入を自動で行えるので、確定申告の手間が大幅に減ります◎
④マイナポータルで過去の診察データがわかる
従来は過去の診療データや処方された薬の情報は、本人とその病院の医師しか把握できませんでした。マイナ保険証で医療の情報提供に同意すると、過去の診察データがわかり、それに基づいた適切な診察を受けることができます♪マイナポータルで、自分の過去の処方歴や特定健診などの診療情報も閲覧できるので健康状態を把握しやすくなります。
デメリット
①一度発行すると元に戻せない
従来の健康保険証からマイナ保険証に切り替えると、マイナンバーカードと健康保険証との紐づけを解除できなくなります。わざわざ紙の保険証を持ち続けるメリットもないので、そこまで大きなデメリットではないかもしれませんね。
②システムの不具合によって利用できない場合がある
2023年4月には、医療機関にマイナ保険証を利用できるシステムの導入が義務付けられるようになりました。マイナ保険証に限ったことではありませんが、万が一システムが障害を起こしたり不具合が出た際には、マイナ保険証を利用できない場合があります。
③紛失の際再発行に時間がかかる
マイナ保険証を紛失してしまうと、マイナンバーカードの再発行に1ヶ月くらいかかってしまいます。個人情報の流失にも繋がりますので、管理にはくれぐれも細心の注意を払いましょう。マイナンバーカードと暗証番号があれば誰でもマイナポータルを閲覧できてしまうため、もしメモなどする場合はカードと離して管理しておくのが良さそうです。
④結局マイナ保険証と健康保険証両方を持ち歩くべき?
オンライン資格確認(マイナンバーカードによる被保険者資格確認)が導入されていない医療機関・薬局では引き続き健康保険証が必要だったり、急なシステムの不具合によりマイナ保険証が使えなくなれば健康保険証が必要になります。結局のところ「マイナ保険証と健康保険証両方を持ち歩かなければならない」という状況になる可能性が高く、かさばってしまうことがストレスになってしまうことも…。
まとめ
いかがでしたか?今回は健康保険証とマイナンバーカードの一体化による生活への影響やメリット・デメリットをお伝えしました。利便性の向上などのメリットもある一方で、個人情報の漏洩リスクなどのデメリットもありますよね。2024年12月には、従来の健康保険証が廃止され、マイナ保険証への移行が決定しています。それぞれメリットとデメリットを踏まえた上で、マイナ保険証を取り入れるかどうかの判断・参考になれば幸いです。